僕がチンドン界に入った時は、とっくに口上芸は、すたれていたわけです。 かろうじて、京都の「でぼ清」さん、そのひと回り下の世代で、東京の菊の家さんあたりが、その片鱗を留めていました。しかし、そんな方々も、すでに故人となって[…..]
本日の社長日記
■<夢想流こそ我が命>第14話 「口上とは?」
チンドン屋に、口上ってのがあります。 演奏しながら街を歩き、四辻などで演奏を止めて、おもむろに「東西~東西~」って声を発したもんです、昔は。 歌舞伎での幕間の口上に、その「東西~東西~」があって、「隅から隅まで、ずいーっ[…..]
■<夢想流こそ我が命>第13話 「客席が騒がしいのは良いことだ!?」
例えば、シンフォニーホールでのコンサートなんかでは、客席はシーンと静まりかえって、咳ひとつでもしようもんなら、周りから睨まれ、顰蹙をかってしまいます。それは、そういう約束事の上でのことですから当然です。 反対に、ホテルで[…..]
■<夢想流こそ我が命>第12話 「客席がシーンとしていても…」
路上が本来のチンドン屋とはいえ、 舞台で30分なり45分なり、一定の時間を務めてくれという仕事も稀ではありまん。 司会者の紹介の後、割れんばかりの拍手とともに緞帳があがる。そして、満場の客席がシーンとして皆がこちらをじっ[…..]
■<夢想流こそ我が命>第11話 「舞台もまた路上なり」
人気のバンドやアイドルのコンサートは、ドーム球場のような巨大なキャパの会場でも、なかなかチケットがとれないそうですね。ああいうのは、ファン倶楽部の全国集会みたいなもので、2時間立ちっぱなしでも熱狂の渦。舞台に立つスターた[…..]
■<夢想流こそ我が命>第10話 「無関心の人こそ大切に」
チンドン屋と他の舞台芸との違いはどこにあるのでしょう?どちらも、何らかの観客を相手に何かを演じてることでは同じではありますが、天と地ほどの違いがあるんです。それは、芸の上手下手などではなく、お客さんとの関係性から見ると、[…..]
■<夢想流こそ我が命>第9話 「お客さんはどこに?」
見られていることに耐えかねてやる無駄な行為というのは、まあ色々あります。 やたら「いらっしゃい!」とかワアワアとセールストークを連発する、大きな音で太鼓をガムシャラに叩く、叩きながらくるくると回転する、子供に話しかけに行[…..]
■<夢想流こそ我が命>第8話 「人に見られるって?」
普段の生活で、他人からジロジロみられるなんてことは、まずありませんよね。 もし、そんなことがあった場合は、顔にご飯粒がついてるとか、服にクリーニング屋のタグがついたままになってるとか。何も理由がなさそうな時だったら、「お[…..]
■<夢想流こそ我が命>第7話 「歩行法」
僕は現在、事務所の二階、洋装衣装の倉庫の片隅で寝泊りしてます。 社長でありながら、まるで宿直の泊まり番みたいな暮らしなんですが、これがまた、もの思いにふけったり空想の世界に遊ぶには、うってつけの住処なんです。 ただ、トイ[…..]
■<夢想流こそ我が命>第6話 「他者への想像力」
前回書いたのが12月の初め、今が2月初めですから、かれこれ2ケ月も書くのをサボってたことになります。とはいえ、ぼーっとしてたわけではないんです。 年末公演やら正月関連の仕事の台本、稽古、そして、怒涛のような年始の獅子舞連[…..]